実際に働いている方の体験談です◎
目次
執筆者のプロフィール
職歴
私が新卒で入社したのは某大手ホテルのウエディングプランナーです。しかし同僚やお客様とのコミュニケーションが上手く取れず、なんと3ヶ月で退職してしまいました。
次に就いた仕事はリサイクルショップでの販売・売上管理。上司に恵まれ、非常に順風満帆であったが、凡ミスが多く自責の念が日に日に大きくなり退職…。
その次は親族の経営する居酒屋にコネ入社…。
その後、現在の広告デザイナーの仕事に就き、今も現役で仕事をしています。
私のADHDの傾向
私のADHDは幼少期に診断され、注意力散漫、多動、過集中を中心とした症状があります。
車の運転免許はとりましたが、不注意による事故が多発したため2年で返上しました。
ADHDの症状は大人になると衝動性が収まって不注意が残るケースが多いようですが、私の場合は衝動性が残っているようです。貧乏ゆすりやペンをノックし続けるなど、じっとしていることが苦手で無駄な動きが多いです。
一方で過集中する場面もあり、気持ちや作業の切り替えがとても苦手で、マルチタスクも難しいです。
また、私はASDも併発しており未だ自分への理解をできないところも多くあります。
デザイナーはこんな仕事
ひとことに「デザイナー」と言ってもデザインが必要とされるものは多岐に渡ります。
あくまで私の場合のお話となってしまいますが、参考にしていただければ幸いです。
私は大手流通・メーカーをクライアントとしたデザインを行っています。具体的には以下のような仕事をしています。
- 販促企画
- 各種デザイン案件
- パッケージデザイン
- 販促ツール作成
- ライティング
- ストアブランディング
- ビジュアルマーチャンダイジング
- ストアブランディング
様々な案件の中で、様々な形で携わっています。主にはデザイナーとして仕事をしていますが、時にはプランニングや資料作成などの仕事もしています。
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デザイナーとアーティストは一線を画す別の職業
デザイナーってクリエイティブな仕事のイメージがあると思います。
確かにその通りなのですがちょっと誤解もあります。
デザイナーは「自分が作りたいデザインを作る」のではなく「売上が増えるデザインを作る」ことが仕事だったりします。
チープなデザインの方が売上が上がるならあえてダサいデザインを作ることも求められたりします。
デザイナーへの転職を検討している方には「こんなハズじゃなかった…」を避けるためにも理解しておいて欲しいポイントです。
デザイナー
- 目的に合わせたデザインを作る仕事
- 感性や技術も求められる
- 作りたいものを自由に作る仕事ではない
- 商業的な観点も求められる
アーティスト
- 自分の発信したいものを作れる
- 認められれば仕事になるが認められなければ収入が得られない
デザイナーの仕事を上手く回す為の工夫
私の場合はこんな工夫をして対策をしていました。
遅れて困る予定の前にはどうでも良い予定を入れる
私は出勤時間に遅れてしまうことが多いので、朝のタスクとして会社近くのカフェで一杯コーヒーを飲むことを自分に義務付けています。
出勤時間や打ち合わせの時間の前に「コーヒータイム」や「銀行による」など、最悪しなくても良い用事を予定しておくことで遅刻を減らす作戦は私に合っているADHD対策のようです。
仕事はヤル気がある時に効率よく攻略する
また、午前中は「想像力が必要な案件の対応」午後は「ルーチン・作業系の案件の対応」というふうに、納期や時間によってではなく自分のエネルギー状態で優先順位をつけて仕事をするようにしています。
お客様への提出期限が迫っているタスクは早めにやってしまいたくなりますが、なるべくはこのように仕事をさばくことで全体的にみれば効率の良い仕事ができています。
方向性などの打ち合わせは営業に任せる
私はお客様の求めていることを勘違いして認識してしまうことがあるので、案件の方向性を決めるような打ち合わせに関しては営業さんにお願いして、すでに精査された情報を落としてもらうようにしています。
こうすることで「え?こんな話だったっけ?」というような失敗を未然に防ぐことができます。
もちろん細かな修正などに関しては自分で対応することもありますが、最初の落とし込みに関してはやはり第三者を通すことがカギです。
多動を抑えようとしない
私は多動については我慢しないようにします。席を立ちたかったら立ちますし、貧乏ゆすりが止まらなければ意識して止めたりもしません。
上司からは「モノを生み出す仕事をしているので、動いた方が成果を出せるなら問題ない」と言われています。
無理に多動を抑えようとすればストレスが掛かりますが、あえて多動を抑えないことでクリエイティブな作業に集中できるようになりました。
WebデザイナーとADHDの相性が悪い点
以下の2つは私が「ADHDと相性が悪いなぁ」と感じた点です↓
最低限のコミュニケーション能力は必要
Webデザイナーをしていて苦戦するのが「お客様とのやり取り」です。
私の場合はメールや電話で自分の話が上手く伝わっていなかったり、お客様からの話を聞き取れなかったり、勘違いして認識してしまうことが多いです。
もちろん電話をする際はメモは取るのですが、情報の精査が苦手なので実際に必要な情報はなんなのか、ワケがわからなくなってしまうんです。
抜群に高い能力が求められるわけではありませんが、ある程度のコミュニケーション力は必要だと感じます。
多動が発動!座りっぱなしがツライ
職業柄、長時間デスクに座って仕事をしなくてはならない点も辛いところです。多動がある私にとっては苦痛を感じるポイントです。
気持ち的な苦痛を感じなくなった今でも、気づけば貧乏ゆすりをしていますし、すぐに席を立ってしまいます。
ずっと長時間黙って座ったままでいると、どうしてもそわそわしてしまい、仕事どころではなくなってしまいます。
障害のカミングアウトはしなくても働けている
私はADHDのカミングアウトはしていませんし、するつもりもありません。
重要なのは、自分の弱点を客観的にとらえることです。そしてそれを周囲に伝えることです。
これは発達障害の人に限ったことではありませんが、自分の弱点を無視してすべてに取り組もうと思ってもできないのです。
なのでまずは認めることと、その上で必要ならば周囲の人に「私、これが苦手なんだけど」と相談することです。
ポイントは、必ず解決するようにすることです。話して終わりではなく具体的にどう対策していくかを自分の考えだけでなく周囲も巻き込んで見つけるべきだと思います。
そして周囲に助けて貰うことに罪悪感を抱かないことが大切です。
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ADHDの長所も活かせる
デザイナーという仕事をしていると自分の短所・長所がはっきり明確に見えてきます。
今までの私が経験してきた職業は自分の弱みばかりがピックアップされているような感覚があり、続ければ続けるほど自信を喪失していくという悪夢のような日々でした。
でもデザイナーという職業は専門性があり、過集中などADHAの特性を活かすことができる仕事だと感じています。
イラストやデザインが好きならチャレンジしてみて!
イラストを描くのが好き、何かをデザインしたり、作ったりすることが好きという人は、必ず向いています。
私も元々デザインが好きでした。しかし、デザインの「勉強」「仕事」となると話が別で、根気もありませんでしたし自分ができるとは到底思っていませんでした。
しかし、自分が食いつないでいくために思い切って挑戦したところ、ようやく自分の価値を見いだせる場所を見つけることができました。
私はずいぶん遠回りしました。この記事を読んでくださっている方の中にも迷っている方が大勢いらっしゃるかと思います。
もちろん仕事ですから楽しいことばかりではありません。しかし、始めの一歩さえ踏み出してしまえば、あなたにとってとても楽しくやりがいのある仕事である可能性は十分にあります。
興味があるのに勇気が出ないという方は是非一度チャレンジしてみて欲しい職業です。