クリエイティブなイメージの強いデザイナー職、実際は…↓
目次
執筆者のプロフィール
私は小さい頃から絵を描くことや物作りが好きだったので、それらに携われる仕事を探していました。
高校卒業後にデザイン専門学校に2年間通い、少人数精鋭のデザイン会社に入社。好きな事を仕事にできて嬉しかったのですが、1年ほど働いてもなかなか仕事を上手くさばけるようになりませんでした…。
仕事が上手くいかないストレスは徐々に心身を蝕み、メンタルクリニックに相談したところADHDの診断を受けました。
診断後も同じ会社で勤務しています。3年目です。
私のADHD傾向
私は頭の中での多動(気になったものを永遠と連想ゲームをしてしまう)、目や耳に入った情報に気を取られてしまい集中力が続かないなどの特性が強く現れています。
集中力のなさからくる不注意、極度の忘れ物、時間の段取りや管理が苦手などなど…。昔から「うっかり屋さん」というキャラで鈍臭いことばかりしていました。
グラフィックデザイナーはこんな仕事
私はグラフィックデザイナーとしてポスターやパンフレット、雑誌や広告など印刷物のデザインをしています。
文章や画像を綺麗にレイアウトし全体の色彩や雰囲気をコンセプトに基づいて構成していきます。それをクライアントと連絡を取りながら修正をし、完成させます。
写真をより綺麗に見せる加工や切り抜き作業、文字の校正など、集中が必要な細かな作業がたくさんあります。
グラフィックデザイナーの1日
10時出勤(この業界はスタートが遅い会社が多い)し、朝一で届いたデザインの依頼や修正の作業を行います。
いくつかの案件を並行して作業するので、随時クライアントや先輩に近況を報告しながら進行します。
お昼休憩は各自仕事の合間に取ります。
基本的に残業があり、案件によっては夜遅くまでクライアントとやりとりをするので、終電で帰る日もあります。平均退社時刻は21:00といったところですね。
グラフィックデザイナーとADHDの相性が悪い点
デザイナーはひらめきが大事で、良くADHDに向いていると言われていますが、ひらめきが必要なのはアイディア出しの時だけです。
仕事の多くは大量の文章にの中の文字・数字の修正&校正などが必要なので、不注意による誤字・脱字などのミスには気をつけなければなりません。集中しないとミスが発生しやすいので、自分なりの対策方法を見つける必要があります。
また、マルチタスクを求められます。電話を取りながら修正の指示を受けてその場で直したり、急ぎの案件では作業をしながら進行状況を随時報告したりします。
「クリエイティブ」のイメージが先行しがちですが、やってみると意外に段取りや時間管理に追われたりする地味さもある職業です。
ただ、苦手な部分があっても「デザインが好き」という情熱があれば乗り切って働いていけます。
コメント:管理人的にはグラフィックデザイナーの仕事は印刷物のイメージがありますね。
そして印刷物の仕事は印刷後には修正ができないという特徴が…。インターネットの情報は修正しやすいので、その点ではWebデザイナーの方がADHDと相性が良いかもしれませんね。
能力を活かすためにしている工夫
私の場合は時間管理が苦手なので、先輩に相談してスケジュールを組み立てて貰っています。どこまで進んだら報告するかなども具体的に決めておきます。
特に細かいデータを扱う際はケアレスミスを起こしやすいので、確認する時間を多めに予定して、更に先輩にも確認してもらう時間を確保して貰っています。
苦手な部分が見つかったら周りの先輩に報告し、協力を得ながら作業します。
逆にADHD特有の得意な部分も伝えます。
私の場合は「初期のデザイン案」や「コンセプト決めの時のアイディア出し」が得意なのでその点を活かせるような体制づくりをお願いしています。
大切なことは得意なことと苦手な部分をしっかり自分で把握して、対策や活かす対処をすることだと思います。
グラフィックデザイナーの仕事を上手くさばくポイント
グラフィックデザイナーの仕事に限ったことではありませんが、ADHDの人は自分の性質を踏まえて上手くいくパターンを見つける事が大切だと思います。
私は仕事が遅い傾向があるので効率化するためにパソコンの設定を最適な状態にチューンナップしたり、時短に繋がる作業手順を試してみたりといったことを習慣的にやっています。
あとは、ADHDの人にとっては適度に休憩を入れる事も大切ですね。
仕事が乗ってくると過集中になりがちで、脳に疲労が溜まりやすくなります。過集中が終わった時には頭が全く動かなくなってしまうので「過集中を解くルール」みたいなものを決めておくと良いと思います。
私の場合は「◯◯分作業したらどんなに集中していても、休憩をしにいく」という風に決めています。
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グラフィックデザイナーの魅力
グラフィックデザイナーという仕事の魅力は何と言っても自分が作った作品を町中で見ることができる点です。
どんなに忙しくて大変だった作業でも、出来上がったものを見ると達成感が込み上げてきます。
また、成果が目に見えるので人にも自慢しやすいという特徴もありますね。「これ、俺が作ったんだよ♪」って。
ADHDは好きな事に関しては、人一倍頭の回転が速くなるので能力を発揮することができます。
さまざまに興味の対象が移りゆく頭は情報収集に役に立ちます。更にインプットした情報を得意の連想ゲームで繋ぎ合わせることで、斬新な考えを捻り出し、会社の人やクライアントを喜ばせることができます。
そういった意味でグラフィックデザイナーの仕事はADHD特有の能力を活かせる職種だと感じます。
おすすめしたい職業かと聞かれれば悩ましい
ADHDの「閃き(ひらめき)」は確かにデザイナーとして役に立つものではありますが、実際に閃きが必要なのはほんの少しです。それ以外はADHDが苦手とする事務作業(修正や文字校正など)が多いのが実情です。
ADHDの特性は人によって異なるので一概に「合う・合わない」とお伝えすることは難しいと感じます。
しかし「デザインへの情熱」と「不注意に潰す努力」を併せ持つことができるなら「合っている」と言っていいのではないかと思います。