目次
執筆者のプロフィール
職歴
大学を卒業後、私立の幼稚園教諭として採用を受け4年間勤務しましたがやりづらさを感じ一度は退職しました。
一年ほど休んだ後に別の私立幼稚園で教諭をさせていただけることになり、3年間勤務しました。
この2つめの幼稚園に勤務している間にADHDの診断を受けましたが、そこからも2年程度継続して働くことができました。
その後は結婚を機に退職し、今は専業主婦として家事や育児に専念しています。
ADHDの傾向
私の場合は、言語理解や記憶の能力が弱い傾向があります。
「少し前に言われていた内容を他の作業をしている内に忘れてしまう」といったことや「一つのことに集中していると、すぐ近くで起きていることに気づかない」といったことがよくあります。
基本的に視覚優位で、言葉で言われるよりも字や絵を見て理解する方が得意、といった傾向だと認識しています。
逆に空間を把握したり色彩の配色などは得意分野で、クラスの掲示物を作ったりすることは楽しく感じていました。
幼稚園教諭はこんな仕事
幼稚園教諭の仕事は、主に1つのクラスを担当し、担任として園児達の保育、指導を行います。
年度によって、3歳児、4歳児、5歳児どの学年の担当になるかはわからないので、その学年の発達段階に応じた指導をしなければなりません。
まだ幼い園児達なので、行動から決して目が離せませんし、きめ細かな指導が求められます。
一年を通して考えると、遠足などの校外行事や、夏のプール指導、運動会でのダンス指導、音楽発表会での演奏指導、工作発表会などの作品の作成や展示の準備など、めまぐるしく様々な仕事内容をこなす必要があります。
幼稚園教諭の一日
一日のタイムスケジュールは、主に以下のようになります。
05:00 起床
06:50 出勤
07:00 早朝登園の児童あずかり
08:30 児童登園
09:00 自由遊び
10:30 工作、行事の練習など
12:00 昼食
13:30 降園
14:00 反省会、もしくはあずかり保育の担当
15:00 事務作業、行事の準備等
18:30 退勤
19:30 食事、入浴などの後自由時間
23:00 就寝
※退勤時間は早めの時間を例にあげましたが、行事の前などは20時や21時を過ぎてしまうことも少なくありませんでした。
ADHDに不向きな点
先を見据えたスケジュール管理が必要
とにかくこの仕事は、先のことを見越したスケジュール管理が必要になります。
夏になる頃には運動会の準備をコツコツと進めたり、音楽発表会の日程を考慮して児童に適切な指導を行ったり、といった具合に長期的なスケジュール管理が求められます。
複数のことを同時進行することが苦手なADHDの特性を持つ方には、精神的なパニックを感じやすい面があるかもしれません。
臨機応変な対応が求められる
また、園内では日々様々な出来事が起こるので、それらの事柄に臨機応変な対応が求められます。
急遽口頭で伝えられる場面も多く、記憶の弱い特性を持つ方には難しい面があるかもしれません。
ミスをしない為に工夫していた点
見やすいスケジュール帳で自己管理
私の場合は、とにかく視覚優位で耳から頭に入れたことを他の行動をしている内にすぐに忘れてしまう傾向があったので、大きくて見やすいスケジュール帳をできる限り持ち歩きメモをとることを心がけていました。
優先順位を付け直す
また、私は先のことを考えず目につくことから仕事を始めてしまう傾向がありました。
結果的に予定の時間に間合わない作業が出てくることも多々ありました。
対策として自分の自由な事務作業の時間にスケジュール帳を落ち着いてよく眺め、「今日やるべきこと」「明日以降に回しても良いこと」を見定めてから行動するようにしていました。
保育園教諭を目指すならカミングアウトやオープン就労も視野に
この仕事をする上で、一番ストレスになっていたのが、同じ学年を担当している同僚の先生方に迷惑をかけてしまうことでした。
全員揃っていた場で話し合い決めたことを、自分のクラスだけができていなかったりすると、本当に申し訳なく「もう同じ失敗はできない」というプレッシャーを感じてしまいます。
私の場合はそういうことが多くあり、発達障害の疑いを自分に持ち、診断を受けることになりました。
自分の苦手な部分を自分でよく理解するだけでなく、思い切って同僚の先生方に話し理解してもらえると精神的に楽になるのではないでしょうか。
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幼稚園教諭という仕事の良いところ・魅力
幼稚園教諭の良い点は、ある程度、自分のペースや自分のやり方を守って働けることだと思います。
それ故に、最初の内は何から手をつけてよいかわからずパニックに陥ることもあるかもしれませんが、一つ一つの出来事が経験となり、少しずつ自分のやりやすい方法が見つかると思います。
同僚の先生方もそれぞれのペースで動いておられるので、あまり流されず、私は私のやり方で、という自由を感じられるところが魅力です。
ADHDが就く職業としてのおすすめできる?
園によって雰囲気や仕事量がかなり異なると思いますので、一概に言えません。
しかし比較的規模小さな園で各教諭の個性を尊重し、裁量に任せてもらえるような環境ならば、工夫をしながら働いていけるのではないかと思います。
同僚の先生方、保護者、園児達と人との関わりが大変多い職場なので、自分の強みや弱さをよく理解して、周りに話していけるような方にはおすすめです。
やりがいのある仕事です。
幼児期の教育は、重要です。小さい子供相手ならというような生半可な気持ちで目指すのでしたらやめてほしいです。一人ひとり皆違い、日々変容していく子どもたちに、その子の今後の人生を見通して対応していかなくてはなりません。職員間の連携も重要で、コミュニケーション能力も問われます。小中学校の教諭と同じかそれ以上に繊細な仕事です。
幼稚園は数名の教員でクラスを見ているのではないでしょうか?
教員同士足りないところを補い合いながら、役割分担などをして乗り越えて欲しいです。