建設現場の現場監督(施工管理)はADHDに向いていない職業~超絶マルチタスク&超絶ブラック~

ふじ。
ADHDの私が建設現場の「現場監督(施工管理)」という仕事をしていた時に感じたことです。
最初にお断りしておきますが、私にとっては「世の中にこれ以上きつい仕事が存在するのか」という程にブラックな経験をした職業です。

 

執筆者のプロフィール

職歴

建築系の大学を卒業後、関東地方でオフィスビルや住宅用マンションを建設するゼネコンに就職しました。

2008年から3年半勤めましたが、激務とマルチタスクに終われ限界を感じたため退職しました。

ADHDの傾向

私のADHDは不注意と健忘が強い傾向があります。

しないといけないことが積み重なるとミスが出てきたり、チェック作業を行っても大量の抜け・漏れが発生してしまうことがよくあります。

ふじ。
てへぺろっ

現場監督はこんな仕事

現場監督とは建設現場で工事の方法選定・工程の管理・職人さんへの指示などを行う仕事です。

土日に仕事をすることも多く、1ヶ月の残業時間は200時間を超えることもしばしばあります。

私が勤めていた会社の残業が特別多いというわけではなく現場監督(施工管理)という仕事自体が長時間の残業を前提とした職業と言えると思います。

現場監督の一日

現場監督の一日はこんな感じです。

AM
06:00 起床
06:30 家を出る
07:30 現場到着→朝礼の準備
08:00 朝礼
08:30 職人さんへの各種指示
09:00 工事写真撮影
11:30 職人さんとの打ち合わせ
12:00 昼休憩

PM
13:00 昼礼
13:30 職人さんからの各種問い合わせへ返答
14:00 現場内に危険箇所がないか確認→整備
17:00 職人さんと明日の作業について打ち合わせ
18:00 現場内の状況確認・作業の進捗確認
19:00 現場内掃除
20:00 各種資材・作業員の手配
21:00 翌日の作業指示書を作成
22:00 来週使う予定のコンクリートの数量を積算する
23:30 日報作成
24:00 現場を出る
25:00 帰宅→風呂
25:30 就寝

特に大げさでもなく、私が特別残業が多いという訳でもなく、若手社員は皆こんな感じでした。

ふじ。
日によっては終電が無くなるので現場に泊まります。
3連泊とか普通にあります。
が、当時は社会人とはそういうものだとマインドコントロールされ耐えていました。

ADHDに不向きな点

以下の点はADHDの人にとって現場監督という職業が不向きだと感じる点です。

超マルチタスク

ADHDにとって不向きな点と思われるのは非常にマルチタスクに陥りやすい仕事であるという点です。

職人Aさんに指示をしている最中に→職人Bさんに話しかけられ→職人Cさんが次の指示を待っていて→職人Dさんから携帯電話に着信があるけど出られない状況の中で→現場所長がすぐ来いって事務所から叫んでる

なんていう地獄みたいな状況が頻繁に発生します。

ふじ。
今思いだしただけでも吐き気がします。

臨機応変な対応が求められる

建設現場はその多様性からいろいろなトラブルが発生します。

その為、職人さんからは毎日多くの質問が挙げられ、その度に「臨機応変」で「正確」で「迅速」な判断が求められます。

その場で答えられない質問は事務所に戻ってから図面を見比べて検討して返答したりするのですが、経験不足もあり難題が見つかると解決に多くの時間が掛かったりもします。

これもタスクが増える要因となるのでこなすのは大変でした。

人間関係がとっても大事

現場監督は自身が作業するのではなく、職人さんに作業をしてもらうことが職務です。

そのため職人さんとの人間関係は非常に大切で、良い人間関係を築くことができれば困った時に助けてくれますし、嫌われてしまえば本来抱えなくて済むトラブルまで抱え込まされてしまう場合があります。

職人さんは基本的に大雑把で豪快な人が多いのですが、人の気持ちを理解できない特性がある場合には強くやりづらさを感じることになると思います。

ふじ。
ちなみに背中にカラフルなイラストが書かれた方もちょいちょい見かけます。
そんな方でも現場でヘルメットを被っていなかったら厳しく指摘しなければなりません。

ここを克服すればうまくやれる可能性あり

著しく職人さんに好かれる人間性の場合はうまく職務をこなすことができる可能性があります。

私の元同僚で建築に対する技術や知識、トラブルを捌く能力もさほど高くないのにいつも職人さんに助けて貰いどうにか職務を遂行している人がいます。

並の人たらしでは上手くいきませんが、突出して人に好かれるという自覚がある人ならば上手くいくかもしれません。

現場監督の良い点

私の場合、勤務地が東京であり中堅の企業でしたので給料はそこそこ良かったです。

3年目で年収450万くらいはあったと記憶しています。

職業としてのおすすめ具合

残念ながら現場監督という仕事はADHDの人におすすめしません。(ADHDでなくてもおすすめしませんが…)

仕事の時間は常にマルチタスクを抱えていると思って良いと思います。

地図に残る仕事がしたい方や、現場監督に対して強い憧れがある方以外は就くべき仕事ではないように思います。

ふじ。
当時は上司から「この会社でやっていけなかったらどこ行ってもダメだよ。」という言葉を信じて3年半勤めました。
ふじ。
でもよく考えてみるとそんなこと言ってた人たちは他の会社なんて知らない訳で…。
あれって不安にさせて辞めさせないための常套句だったんですよね…。
ふじ。
今ではホントに辞めて良かったと感じています。

 この記事へのコメント

  1. とまみん より:

    僕はADHDと診断を受けた23歳高卒現場監督です。
    18で勤め始めたので今5年目となります。
    正直同期との能力の差に苦しむ日々です。遅刻や仕事でのミスも何とか許容してもらっている状態で、上司に対しては申し訳ない気持ちでいっぱいです。やめたいですが、やめたところで今の自分には何も残らないし、ましてや高卒なので転職先も今の仕事と同レベルとはどうしても行かないと思います。
    僕の下にもう5人も入ってきました。下2人にはもうすでに越されていて後輩からは「仕事はできないけど面白い先輩」みたいなイメージがついてしまっています。会社全体のことを考えたら自分なんてやめたほうが良いと思いますが、会社の規定として相当なことをやらかさない限りクビというものが存在しないので、会社自体も切るに切れないのではないかと思います。自分自身建築に既に興味がなくなってしまっていると言うのと、ADHDと言う現実を感じて、正直転職をしたいなと考え始めています。
     辞めた後で次にできる仕事としてADHDにもある程度できる仕事を教えていただきたいです。それが見つかれば、どこか学校へ通おうだとか転職しようとか、踏ん切りがつくかもしれません。

    • fuzy より:

      現場監督…大変ですよね

      5年も勤められてすごいと思います◎

      私の勤めていたゼネコンはこの10年で少しづつ労働条件が改善してきたそうです。

      先のことはわかりませんが会社が良くなる可能性もあるので辞める辞めないの判断は慎重にするのがよいかなと思います。

      あと病院でお薬はもらっていますか?
      私は薬を飲むと頭がシャキっとするので飲んでいないなら試してみるのもアリかもしれませんね◎

      現場監督は給料が良い会社が多いので他の職種に転職すると下がることは多そうです。

      安易に「こうしたらいい!」みたいなことは言えませんがしっかり自分で悩んで行動できると良いですね!

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