「GIFT」持っている人が多いんじゃないかというのが私の考えです。
目次
発達障害者が持つといわれる「GIFT」とは
発達障害を語る際に必ずと言っていいほど賛否両論の意見が飛び交う「GIFT(ギフト)」の存在。
「GIFT」とは発達障害者が持つ特殊な能力のことです。(←この記事ではこう定義します)
発達障害ではない人は「GIFTは存在する」という意見を持っていることが多々あります。
ただしその根拠は「左利きには天才が多い」といったレベルのしょうもないオカルト的な知識を元にしていることがほとんどです。
逆に発達障害を持つ当事者は「GIFTは存在しない」という意見を持っている人が大多数を占めるように思います。
それは実際に自分が一般的な生活を送れない程に困っていて「特殊な能力があるならこんな状態になるわけがない」と感じているからでしょう。
GIFTの記事が物議を醸した
先日こんな記事が公開されネット上を賑わせました↓
ADHDを障害や病気と診断せず、才能へと導く方法を米の心理学者が発表
ざっくり要約すると
- ADHDって素晴らしい!ホントはスーパーマンなんだよ!
- コンサータなんて危ない薬飲んで治療しようとしてる場合じゃないよ!死ぬよ!
- 褒めて伸ばせばイケる!イケる!
という「著者はホンマに医者なんか!?」という内容で、当事者からは非難轟々です。
そりゃそうですよね。
失明した人に「良かったね!失明して!だってもうコンタクト代がいらないじゃないか!」と言っているようなもんですからね。
ガンジーでも助走つけて殴るレベルですよ。
他にもツッコミどころが満載で、私もこの記事大っ嫌いです。
発達障害者はGIFTの話題に敏感
多くの発達障害者はGIFTの話題になると目が血走ります。
先程の記事、SNS上では数千~数万単位で批判的なシェアが繰り返されていますね。
さながら魔女狩りの様相を呈しております。
GIFTってほとんどの当事者にとって存在を感じないし、周りからは期待されるだけの邪魔なものなんですよね。
とにかくGIFTの話題はロクなものがない。だからこそこの話題には敏感です。
GIFTが存在するケースは多いと感じる
私はADHDのことしかわかりませんのでADHDに限った話となってしまいますが、ADHDの人にはGIFTを持っている人が多いように感じています。
最低でも私の知っているADHDの方にはそういう傾向があります。
発達障害を抱えているなら「WAIS-III」という知能検査を受けたことがある人も多いでしょう。
WAIS-IIIは様々な種類のIQを調べる検査です。
平均のIQ=100として能力にどれだけのばらつきがあるかを調べることができます。
ADHDがある人はこの数値にバラつきがある場合が多く、考えることと出来ることのギャップに悩みます。
(WAIS-IIIで発達障害の全てがわかるなんて考えは持たないでくださいね)
このIQが高い分野では「110」あるけど低い分野では「90」しかないという人は多いと思います。
IQという数字にしてしまうとたったの10しか平均から外れていませんが、実はこの差は果てしなく大きいと言えるでしょう。
私は言語系のIQが110前後、視覚系のIQ90前後のADHDです。
高校の国語の授業はマジメに受けなくてもテストでは高得点が取れました。
一生懸命国語の勉強をしてる同級生を見て「国語なんて勉強してどうにかなるもんじゃないでしょ(笑)」と言っていました。
逆に視覚系のIQが低いので英語のスペルを覚えることが非常に苦手で「This(これ)」という単語の綴りですら覚えるのに苦労しました。
未だに「library(図書館)」なんて難しい単語は書けません。
IQが平均から10ズレるということはそれほどに「普通」と違うということです。
ちなみにYahoo!知恵袋にはこんな風に書いている方がいらっしゃいました。一部抜粋↓
80と120を比べたら確かに違います。頑張っても3しか取れないのと、別に努力もせずに4か5を取れてしまう。
参考:Yahoo!知恵袋
私は自分の能力の高い部分は紛れもないGIFTだと思っています。
例としてIQの差異を挙げましたが、他にもGIFTの存在を感じる部分はあります。
集中力が無いために頭の中で様々な妄想が働き「くだらないアイデア×くだらないアイデア=突飛な発想」となり「オマエって変なこと考えるなー。でも面白いなー。」っという評価をもらうことができるのはGIFTのおかげだと思っています。
このような視点で見れは「周囲より自分が優れている点」を持っている発達障害の方は実は多いのではないでしょうか。
問題は持っているGIFTが生活に役立たないこと
ただ私だって何度も会社をクビになっているのでわかります。
GIFTって生活の役に立たないことが多いんです。
というか活かせる場があんまりないんですよね。
私の「言語系のIQが高い」なんて今の時代だからこうやってブロクを書いたりすることで多少なりとも発揮することができますが、20年前ならホントにゴミです。(今でもゴミかもしれませんが…)
「突飛な発想」を企業で活かそうと思うとそれなりのポジションに就く必要がありますが、基本的にそんな楽しい仕事ができるポジションに就く前にマイナス面が足を引っ張ってクビになってます(笑)
同じように「データの分析が得意で物事の本質を突くことができる」人は「人間関係が壊滅的に苦手でどんなに正しいことを言っても受け入れて貰えない」なんて人もいるように思います。(特にASDをお持ちの方)
結局、GIFTを持っていてもそれを活かせる人って少数派だと思うんですよ。
スティーブ・ジョブズだって「パソコン」という相性が良いものにハマったから成功しただけで、農業やってたらせいぜいオシャレなトラクター開発して終わりだったかもしれないわけですよ。(※ジョブズファンからの批判は一切受付けません)
低い能力がGIFTを覆い隠す
一般より能力が高い部分があっても、能力が低い部分が足を引っ張ってしまい、得意な能力を発揮する機会が与えられないというのが発達障害のツライところだと思います。
どんなに積極的に仕事をしたって人間関係が上手くいかなければ「あいつは出しゃばりだ」と言われます。
どんなに画期的なアイデアを思いついても実現化の途中で飽きたら成果は出ません。
結局「GIFTがあるけどメシは食えない」というのが多くの発達障害者の現状のような気がします。
インターネット上ならGIFTを活かせる場所がある
今はインターネットの普及によって本当に良い時代になりました。
文章を書くのが得意なら「ランサーズ」でウェブライターをして報酬を得られます。
絵を書くのが好きなら「ココナラ」で依頼されたイラストを書いて収入が得られます。
職人気質でものづくりが好きなら「ヤフオク!」で自作の家具を売ることができます。
頭は回らなくても陽気な人ならYouTuberにだってなれます。
一芸に秀でていれば多少なりとも評価されて、収入を得る場(機会)があるって素晴らしいことですよね。
やっぱり何にもない人は短所を探してみる?
いろいろ考えてみてもやっぱり自分の中に何のGIFTも見つからない人もいると思います。
私も正しいのかわかりませんが、そういう人は自分の短所を探してみてはどうでしょうか。
例えば私の場合「楽観主義」「他人に厳しく自分に甘い」「英語が病的に苦手」などの短所があります。
これを無理矢理プラスに考えてみます。
- 楽観主義=プラス思考
- 他人に厳しく自分に甘い=自己肯定感が強く自信家
- 英語が病的に苦手=英語を勉強する時間を捨てて他のことを学べる
などなど。
短所は受け止め方次第で長所と捉えることもできると思います。(なんか就職面接の対策でこんなのやった気がしますね(笑))
ただ、無理矢理「長所」と捉えているだけなので、実際メシが食える程の武器にするにはそいつらをガリガリと研ぎ澄まさないといけないワケですね。
普通の「プラス思考」ではメシは食えませんので「ポジティブな言葉が共感を呼んでtwitterのフォロワー数20万人」くらいのレベルまでチューンナップしたいところですね(笑)
もがいてもがいて解を探そう
なんかふと気づけば冒頭の大っ嫌いなネット記事と同じようなこと書いちゃいましたね。てへぺろ。
結局言いたいのは「なんかひとつくらいGIFTっぽいのあるだろうよ!探せよ!どうにかもがいてみろよ!」ってことです。
人より能力が低いんだからもがくしかないよね…もがいてもがいて経験値を積んでいくしかないッス。