ADHD治療薬 コンサータとストラテラの服用について

ADHDの治療薬 ストラテラとコンサータ

代表的なADHDの治療薬として「コンサータ」と「ストラテラ」というお薬があります。現在日本ではこの二種類以外のADHD治療薬はありません。どちらか(あるいは両方)を服用してADHDの症状改善を図っていくことになります。

2018年7月現在、小児用のみですが「インチュニブ」という治療薬が登場しています。大人用のインチュニブは順次販売が開始される見込みとのことです。

主な効果は不注意・多動性・衝動性を抑えるというものですが、作用する場所の違いからくるそれぞれの特徴を持っています。

作用の違い

コンサータとストラテラは脳への作用の仕方が異なります。参考サイトによるとこのように書かれています。

◆コンサータ…中枢神経刺激薬

脳の神経に直接作用して神経細胞にある再取り込み口(トランスポーター)の働きを抑制し、ドーパミン等の再取り込みをダイレクトに防ぎます。

◆ストラテラ…非中枢神経刺激薬

脳の神経には直接作用せずに伝達物質であるノルアドレナリンの「再取り込み」を行うトランスポーターの働きを邪魔します。
ノルアドレナリンのトランスポーターはドーパミンの再取り込みも同時に行っているため、結果としてドーパミンの量も増えることになります。

引用元:『コンサータ』と『ストラテラ』の違いって?

うーん、文字で読むと難しいですが例えるなら間接照明か直接照明かの違い程度に考えておけば問題ないのかなと思います。

効果の違い

同じ不注意・多動性・衝動性を抑える薬であっても細かく見ると多少効果が得られる面が変わってくるようです。

●コンサータ服用で期待できる効果

・注意力が上がり、集中力がアップ。結果、不注意が減少
・ADHDの症状のひとつである「やらなければいけないことの先延ばし」が改善される
・切り替えが良くなる(次の作業にさっと移れる)

●ストラテラ服用で期待できる効果

・ADHDの患者さんが苦手とする「二個以上の作業同時進行」がしやすくなる
・どの作業を優先するかの優先順位をつけやすくなる
・ADHDの大きな特徴である「不注意」の改善

引用元:コンサータとストラテラ効果の違い

多少の違いはありますが私の経験からすると細かい効果の違いを知ることにあまり意味は無いかもしれません。

私はストラテラに期待される「不注意の改善」や「二個以上の作業の同時進行がしやすくなる」といった効果をとても望んでいましたが薬自体が身体に合わないのか全く効果が現れませんでした。結果、現在はコンサータを服用して症状の改善がみられています。

最終的にはどっちの薬で効果が出てくるかという判断をして服用を続ける薬を選ぶことになっていきます。

効果が出るまでの時間

コンサータは服用後、1時間程度で効果が現れます。市販の風邪薬などと同じような速さで効いてきます。効果の切れ方も風邪薬と同じように8~12時間程度で弱まってしまいます。

一方ストラテラは2週間程度服用を続けた後に効果が現れ始めます。効果は一日持続するので服用している間は常に効果が得られている状態になります。

副作用について

コンサータの一般的な副作用としては以下のものが挙げられます。

  • 食欲減退
  • 動悸
  • 体重減少
  • 不眠症
  • 悪心
  • 口渇
  • 頭痛

ストラテラの一般的な副作用としては以下のものが挙げられます。

  • 胃腸系の副作用
  • 食欲減退
  • 頭痛
  • 眠気、ふらつき、めまい
  • 動悸
  • 多汗
  • 排尿困難
  • 体重減少
  • 肝機能障害、黄疸
  • 不眠
  • 性機能障害

コンサータもストラテラも概ね同じような副作用ですね。

私の場合は胃もたれが激しく食欲が減退する時間帯がありました。また、不眠の症状に近いのか頻繁に夢を見るようになりました。恐らく眠りが浅くなったではないかと思います。

ひと月程度服用を続けた頃から副作用は感じなくなりました。身体が慣れたのかもしれません。

薬の効果と同様に副作用も人によって大きく症状が違うようなので違和感を感じたら速やかに主治医の先生に相談しましょう。

自立支援医療費制度の利用

ADHDの代表的な治療薬であるコンサータとストラテラですが実はまだジェネリック薬品が存在しません。そのため薬代(薬価)が比較的高く一カ月で5,000円~15,000円程度のお金が掛かってしまいます。

ADHDによって仕事が上手くいかない中での診察料や薬代は生活を圧迫します。そんな時は自立支援医療費制度を利用しましょう。

申請しておけば該当の疾患に限り医療費を3割負担から1割負担にまで減額することが可能です。1/3は大きいです。申請には2~3か月程度掛かりますが、デメリットは特にないので申請しておきましょう。

なお有効期限は1年間で、都度更新が必要です。

詳しくはこちらに書きましたので参考にしてみてください。

参考:ADHDの薬代は「1/3」に下げられる!必ず自立支援医療制度を利用せよ!

ストラテラが効かない場合にコンサータへ切り替えていく

いくつか情報収集をしたところ、初めて病院で治療薬を処方される際はストラテラから処方されるケースが多い印象です。コンサータは取り扱いに際して注意点が多く、許可された医師にしか処方できない決まりになっています。まずストラテラを試してみて効果が出なかったらコンサータを試すといった様子です。改善したい症状がはっきりしている人には最初からコンサータが処方されているケースもあるようですね。

私の場合も80mgまで増やしたストラテラが全く効かなかったのでコンサータに移行しましたが、その際ストラテラをいきなり止めるのではなく一度40mgに落としてから止めるという手順を踏みました。

個人的な所感

私はコンサータを飲み始めてすぐに「先送り体質」や「ヤル気のなさ」の症状が改善したように感じました。手を付けるのが面倒な仕事に朝一番からいきなり取りかかったり、休みの日は朝から掃除を始めたりと、効果が目に見えて行動に現れました。

ストラテラの時にはあまりに効果が出なかったのでこの違いには驚きました。

一方、コンサータを飲み始めると「小さなことにイライラし始める」という思いもよらぬ副作用も感じました。ADHDの治療薬なのだから衝動性も抑えてくれるのかと思いきや、怒りの感情に対してはマイナスの効果が顔を出しました。

薬は体質や改善したい症状に合わせていろいろ試しながら調節していくことが大切なようです。薬の効果がすぐに現れなかったり、副作用が強くて続けられなかったりといろいろ思うようにはいかない場合もあると思いますが、主治医の先生としっかり相談して自分にとってベストなバランスを見つけられるよう頑張りましょう。

おまけ:アルコールは飲んでいいのか?

お酒の席に参加しなければならないこともあるので先生にアルコールを飲んでいいのか聞いてみました。

先生曰く、

ストラテラやコンサータの成分は肝臓で分解されます。同様にアルコールも肝臓で分解されます。つまり同時に摂取すると肝臓に負担を掛けることになります。

あなたはまだ若くて健康なので時々飲酒する分にはたちまち影響が出るということは無いと思いますが、なるべくなら薬の服用時に同時にアルコールを摂取しない方が望ましいです。

コツとしては飲み会のアルコールが薬の服用時に抜けているくらいに調節してお酒を楽しむと良いと思います。

とのこと。なるほど(*’ω’*)!

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