先日病院の先生より紹介していただいた本がADHDを理解する上でとっても良い本でしたのでレビューします。
読んだのはこちらの「図解 よくわかる大人のADHD」です。
目次
ADHDという障がいの理解
まずはADHDがどのような障害であるのかの説明です。原因や対処方法、薬による治療などの基本的な情報を知ることができます。
インターネットでかき集めた情報よりもこういった本に専門家がまとめてくれている情報は信頼性が高く安心できます。
私の場合はネットで調べたとき「ADHDは遺伝ではない」という内容を見たことがありましたが、本書では「遺伝の傾向はある」との要旨が書かれており、「ネットはアテにならんな~」と痛感した次第です。(我が家は私と息子がADHD)
4章では起きるトラブルに対する解決策が提示されている
本書の良いところはADHDという障がいの説明のみにとどまらず、それによって起きるトラブル、またその対策がしっかりと提示されているところです。
- 物をよく無くす人は物を置く場所を定位置に決めてしまうこと
- 時間を忘れてしまう人はスマホのアラームやスケジュール機能を活用すること
などなど、具体的な対策を示してくれているのですぐに生活に活かすことができます。
私もここを読んでからヤカンを火に掛けたらsiriに「7分後にアラームを鳴らして」とお願いするようになり、火の消し忘れが激減しました。
7章はADHDの取り扱い説明書
本書の7章は「周囲の人ができる支援」というタイトルです。
読んでみるとADHDの人の取り扱い説明書のような内容になっています。
本当は当事者の身近な人であれば本書を隅から隅まで読んで貰いたいところですが、140ページの本を読むのはなかなか気力が必要です。そんな場合にはこの7章の全8ページを優先して読んで貰いたいです。
「ADHDは脳の機能障害であり、気力では直らない病気であること」や「ADHDの人を活かす方法」や「ADHDの人とのコミュニケーション方法」などが記載されています。
家族や恋人など近しい人にぜひ読んで頂きたい内容になっています。
自分に該当する部分にマーカーを引く
先生に本を紹介された時に「自分の症状に合致する部分や役に立つと思った部分にマーカーで線を引くといいよ」と言われました。やってみると「なるほど、なるほど。」といった感じ。あっという間に自分専用の取り扱い説明書の出来上がりです。
一概にADHDといってもその特性は様々です。実際、本の中には「自分には全く該当しないなー」と思う部分も沢山ありました。本人は本を読めば該当しない部分が分かりますが、あなたを理解しようとしている人には本を読むだけではそれはわりません。マーカーを引いたこの本を自分のことを理解して欲しい人に見せれば、より一層あなたのへの理解が深まるはずです。
ADHDの可能性を疑っている人にもオススメ
ADHDがどのような障がいであるかを深く理解することができるので、可能性を疑っている人にもおすすめです。
ADHDは診断が下らなくてもその傾向がある人は数多くいます。病院に行くふんぎりがつかないのであれば本書を読んでみて自分にどのくらい適合しているかを見てみると良いと思います。
読んでみて「そうかも…」と思えば病院に行くなり本書の対策を活かすなりすれば良いですし、「やっぱり違う!」と判断できればなお良しです!
「よくわかる大人のADHD」の書評まとめ
図やイラストを挟みながらの140ページですので、集中力の続かないADHDの方にも比較的読みやすい本だと思います。難しい言葉や難解な言い回しは少なく、ADHDの当事者が読むことに配慮されています。実際に悩んでいる当事者であれば悩みの深さゆえ、すらすらと読み進めてしまえると思います。
私は比較的読書が好きな方で、5時間程度で読み終わりました。
ADHDを理解する上で教科書的な間違いない1冊です。